Visit: Sep.13.2019
ウスチイリムスクへようこそ!
どう控え目に見積もっても一般的な観光をする要素のないウスチイリムスクへようこそ。家族連れ、カップルにはおすすめ出来ない街です。
しかしトラムがあります。
トラム以外にも見所はいくつかあるので紹介していきます。その前に私を震撼させる気候についてもお伝えします。
気候
9月13日ウスチイルムスクがこちら pic.twitter.com/XFT5mA92xZ
— 石器時代 (@NsaYamamoto) September 13, 2019
シベリアの大地に慈悲はない。9月13日に訪れたのですが雪が降りました。秋分の日の前では。日数の上ではまだ夏至の方が当時より近いというのに。ウスチイルムスクに行く時には防寒具が必要です。
wikipediaによると9月の平均最低気温は1.4度。普通にマイナスになる日もあり、私はそのマイナスに当たりました。
北緯57度でストックホルムよりは南ですが内陸だから特に冷えるのでしょう。
場所
ウスチイリムスク鉄道駅の場所はここ。街は駅の北西にある長方形のゾーンです。
地域はイルクーツク州です。
自治体
ウスチイルムスクは1966年ごろに出来たかなり新しい町です。(それ以前も村のように少ない人は住んでいたようです)。そのためか都市はほぼ格子状で道はソ連式の広さです。
トラム
ウスチイルムスクまで来るような日本人はトラム鉄以外誰もいないんじゃないでしょうか。
コルシュニハで職質されたとき私はツーリストだと答えました。そしてこれからどこに行くか聞かれて、ウスチイルムスクだと答えたところ、明らかに不審な顔をされました。観光客のための街ではありませんね。
トラムデータ
ウスチイルムスクトラム
Усть-илимский трамвай — Википедия
- 開業 15.09.1988
- 距離 14.5km
- 軌間 1520mm
- 停車駅 10駅
開業が1988年とかなり新しいので乗ってみたところ線路状態がかなり良く、KTM5とは思えない揺れの少なさ乗り心地の良さでした。
路線はたった1路線なのですぐに全線乗車はできます。路線は南の 9-й микрорайонから北の Северная ТЭЦ です。
歴史
- 1988年 9-й микрорайон – Агрофирма Ангара 南側の8駅分開業
- 1992年 Северная ТЭЦ まで4.1km 北に延伸開業
トラム路線の北部付近はillim という会社の工場があります。illimはパルプや紙を扱う会社です。
イリムグループの会社の看板が、まるで町の標識みたいに置いてあります。
トラムの南側は繰り返し勾配があります。直線と勾配のおかげで望遠レンズがあれば、朝方の時間帯は数本の列車を同時に収められると思います。イメージ検索でust illimsk tram をすると作例みたいなのが出ると思います。
私が行った日の朝は恐ろしく寒く暗く、いかにもロシアな感じでした。上のように全く露出が出ません。撮った時はひでえなと思いましたが、全くいじっていない生写真は暗さが伝わりますね。
ウスチイリムスクトラムはおすすめです 日曜は運転本数が少ないので注意してください 時刻表です pic.twitter.com/ch3017yy1J
— 露水設計局 ОКБ имени М. Лушуя@樺太庁陸地測量部 (@Rail900) September 3, 2019
平日ダイヤは日中はかなり少なくなります。1時間に1本程度しかありません。朝は多いです。休日はさらに減便があります。
この都市のトラムの主な役割は北のイリムグループの労働者を輸送すること。朝は2両目まで客でいっぱいになっています。日中は乗客がまばらです。
トラムデポ
Северная ТЭЦ 9:10発の列車があります。私が乗った時は遅れていたためか9:20発でした。
この列車は何故かトラムデポに直接入っていく運用です。トラムデポを一回りし、途中で停止して5人くらいの人が乗ってきました。
9:10までは早朝帯でトラムは頻回ですが、次の列車は10:00になります。なので早朝帯の仕事を終えたトラムの運転士や車掌の帰宅のためにトラムデポに入っていくんだと思います。実走中に車両基地に入るのは面白い体験です。
トラムデポには最盛期には走っていたのであろう大量の廃車が置いてあります。厳密に確認はしていませんが見たところ全てKTM5です。
観光
観光に際立った名所はありませんが、いくつか見どころはあります。
公園
Мемориальный комплекс “Три Звезды”
ロシアの特に何もない街で回るとしたら公園の真ん中に置いてある彫像巡りでしょうが、ウスチイルムスクは戦車と機銃が置いてあります。
しれっと子供に軍事教育をしていくスタイル。
これは気のせいかもしれませんが、ウスチイルムスクはラーダ率が高くなんとなくパトリオットが多そうな感じがします。
博物館
Krayevedcheskiy Muzey Краеведческий Музей
町の南西にある博物館です。見学者が少なかったので博物館おばさんは親切に館内を案内してもらいました。娘が日本好きだとか。
列車開通の時の写真が展示してありました。
他の主な展示物は地域の野生動物、歴史、第二次世界大戦、かわいい人形でした。人形は民芸品なのかな。
入館料:100ルーブル
対岸
対岸は旧市街です。旧市街と行っても、単に古い小さなおうちがあるだけで、ヨーロッパでイメージするおしゃれな町並みはありません。
ウスチイルムスクダム
アンガラ川 Р.Ангара Angara River にあるダムです。
進撃の巨人の壁のリアル版かと思うくらいの圧倒感。アーチでなく完全に直線のところもかっこいい。
このダムは工事開始1963年, 1980年完成です。高さ105m 全長1475m。
おそらくこれがウスチイルムスクでの最も注目すべき(物理的にもでかい)見どころだと思います。ロシアの巨大なダムを間近で見れます。バカでかい灰色の巨体。ラスボス感が半端ないです。
スシ
ウスチイルムスクにある寿司バー、
予期してたよりも美味かったのでオーチンハラショー言って追加注文したらおまけしてくれた pic.twitter.com/Px2QffBgnJ— 石器時代 (@NsaYamamoto) September 13, 2019
こんなド田舎に寿司バーがあると誰が想像したでしょうか。外国のスシはもっと酷いものを想定しますが、ここは案外イけてました。主人は中国人っぽかったですが。安くもありませんが高くもなく。
ホテル
Gostinitsa “Ust’-Ilim” Гостиница “Усть-Илим” 4つ★ホテル。
このホテルは品質の良さに驚きます。内装はかなりの努力を払って現代的になっています。インテリアはほぼ東横インです。しかし所々旧ソ連を思わせる部分があり、トイレやシャワー(共用の場合)の雰囲気はいい感じでソ連を感じさせる設備です。
値段は東横インの半額以下、部屋の広さは東横インの1人部屋の2倍はあります。さらにフロントスタッフは英語ができます。
1泊:1200RUR (最安部屋)
ブッキングコムで予約可能。私は3泊しました。
公共交通
バスは一律27ルーブルです。
鉄道駅と市内のバス
RZD駅と市内を行き来するバスは260番と158番。
ウスチイルムスク着:
ウスチイルムスク23時50着の列車の場合、終バスは終わっているのでタクシーしかありません。
タクシーに払った金額は250ルーブルでしたが本当はもっと安いかも知れません。駅から市内は10km弱です。
ウスチイルムスク発:
朝7時30の列車に乗る場合は始発の260番バスで十分間に合います。始発バスの1本後でも間に合うと思います。
対岸へ行くバス
ダムへ行くためには対岸へ行くのが良いですが、歩きは距離的に無理です。対岸へ行くバスは10が11です。10の方が本数は多いです。
アウトスタンツィア
長距離バスのバスターミナルの位置です。もっと辺鄙な街に行きたいときバスは役に立つでしょう。
以上です。ウスチイルムスク。ぜひ訪れてみてください。
Russia Ust-Illimsk Tram Tramway 2019
Усть-Илимск Трамваи Трамвай
9-й микрорайон 9-y mikrorayon
Северная ТЭЦ Severnaya TETs